石獣庭園 -Wing on the Wind-

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2000年7月16日の投稿1件]

去りし日々は還らず【後編】

No. 52 〔25年以上前〕 , Venus at the dawn,去りし日々は還らず , by otowa NO IMAGE


 間もなく夏休みを迎える時期。長期休み前の単位試験が終わって、多くの生徒の気が弛んでいる頃だった。
 僕たちの学校は単位制を導入していることもあり、滅多にいないが飛び級を行える学校として有名だ。
 彼女が、結城薫ゆうきかおるが飛び級をして半年早く卒業するという噂が耳に飛び込んできた。よほど頭脳優秀でない限り難しいことだったけど、薫はこれまで一つの単位も落としたことがなかったし、成績も常に上位五位以内につけていた。不可能なことではない。
 それでも、僕たちは彼女に裏切られたような気がした。理事会のメンバーにどれほど冷酷な仕打ちをしようと、彼女は和紀が望むように僕たちと一緒にいるだろう、と思っていたのに。
「そんなバカな! 学年が代わる時期なら判るけど、どうして残り半年っていう時期にいきなり卒業なんだよ!?」
 噂を聞きつけた僕は転がるようにして彼女の部屋へとやってきていた。事の真相を確かめるために。
 暑い日だった。梅雨明けの空気はチリチリと地上のものを焼いて、その年の夏の気温の凄まじさを簡単に予想させる。冷房が効いている室内だから汗一つかかないけど、そうでなければ耐えられない。
「おかしなことかしら? 私、合衆国ステイツの医大に入学が決まったの。だから、あっちの入学にあわせて卒業するだけの話よ。こんなケチな学校、さっさと辞めても良かったけど、卒業単位が必要だったからいただけだわ」
 あまりにもアッサリと認められ、僕は和紀のとき以上に無力感に襲われた。どうして彼らはこんなに簡単に決断し、僕たちを振り切って行ってしまうのだろうか。
 エリックもシャルロットも、翔も誠二もマオも、そして僕も、ただ君たちと笑って一緒の時を過ごしたかっただけなのに。
 春以来、薫はほとんど笑わなくなっていた。いや、表面上は皮肉を口元に湛えた笑みを顔に浮かべていたけど、それは本当の彼女ではない。薫は復讐を果たしたけれど、心の隙間を埋めることはできなかったんだ。
「アメリカの医大への入学なら、来年にしたって良かったじゃないか。今年度に僕たちと一緒に卒業して、来年の入学に合わせて受験することだって……」
「まっぴらだわ。こんな腐った学校、一分一秒だって長くいたくない。早く出ていくことが出来るのなら、それを最大限に活かすわ」
「君まで僕たちを置いていくのか!?」
 カッとして僕は怒鳴りつけていた。薫と同じように僕の鉄仮面も有名だけど、今の僕はそんなものをかぶっているだけの余裕などなかった。
「珍しいわね。竜介がそんな大声あげるなんて」
「話をはぐらかすな! 他の生徒は君の頭脳の優秀さにさもありなん、と言っているけど、僕の目を誤魔化すことはできないぞ。君は……逃げ出すんだ! 引っかき回すだけ引っかき回しておいて!」
「あの騒ぎならもうとっくに決着してるでしょう。私は自分のやりたいようにやっているだけよ」
 薫は平然とした顔で紅茶をすすっている。いつも僕たちを睨みつけている鋭い眼光が、このときばかりは穏やかさを取り戻す。本当は、和紀さえいたら彼女の瞳が怒りに曇ることなどほとんどなかったのに。
 外見の気の強そうな印象とは反対に、彼女の部屋はいかも女の子らしい。そのなかで紅茶のカップを持ち上げる薫の姿は、平素の彼女を知らない者が見たらお嬢様にしか見えなかっただろう。
 押し黙った僕に視線を戻すと、薫は自嘲めいた笑いを口角の端に浮かべて僕に紅茶を勧めた。普段なら僕も素直に従っただろう。けど、今は彼女の言葉に従う気分にはなれなかった。
「君は和紀がいないと手負いの獣だね。幼なじみが側にいないだけで、どうしてそんなに荒れ狂うんだよ」
「何言ってるのよ。和紀のことは関係ないでしょう。どうして皆、誰かと誰かをくっつけたがるのかしら。私には理解不能だわ。人をゴシップのネタにする人種ってサイテーね」
 一瞬、僕は目の前に座っているこの皮肉屋を殴りつけてやりたくなった。そんなことをしても何も解決しないと判っている。それでも、吐き気がするほど彼女の言動にむかついていた。
 平然とした顔で自分以外の者の存在や考えを見下したり否定したりするのは、彼女の最大の欠点だろう。やりすぎなければ自信家のように映るけど、そうでないとき、今のような状況では彼女の態度は不愉快以外のなにものでもない。
「可愛げがないにもほどがあるよ、薫。君を見ていると、僕の女嫌いに拍車がかかる」
「私をどうこう言うのはかまわないけど、それで女全般の評価を下さないでくれる? 竜介はいつだって極論なんだから」
「僕以上に君のほうが極論だね! どうしてそう我が強いんだよ。少しは他人のことも考えろ!」
「どうでもいいわよ、そんなこと。どうせ私は居なくなるんだから。本当なら和紀が学校辞めたときに、私だって辞めてなけりゃならないんだもの」
「和紀を止めなかった僕が悪いとでも言うつもり?」
 もう先ほどから堂々巡りをしているような気がする。彼女との話し合いは、今は不毛なだけだ。和紀と同様に、薫もすでに自分の中で下した決断に従っているのだから。
 僕は薫が口を開くよりも早く立ち上がると、彼女の顔を見ることなく部屋の出口へと向かった。話し合いは平行線のままだ。まったく実入りの少ない会話だった。
「言い忘れるところだったよ。薫、卒業おめでとう。もう二度と顔を合わせることもないだろうから、今言っておくよ」
 腹立たしさに、僕は戸口でチラリと振り返ると、いつも以上に冷たい口調で彼女に嫌味をぶちまけた。
 彼女が一瞬目を見開き、次いで何かを言おうと口を開きかけた。それをわざとらしく無視すると、僕は彼女を振り返ることなく、部屋を飛び出していた。
 それから数日後、長期休暇に入ると同時に、薫は渡米していった。八月末が彼女の卒業する日だったが、長期休暇に入っていたのでは、実質的な卒業は長期休暇とともにやってくる。
 もう少しのんびりと渡米するだろうと思っていた他の連中は、彼女の慌ただしさに驚いたことだろう。
 僕と、僕の周囲にいた数人だけが、彼女がすぐにでも居なくなると予測していた。そして、その予測通りに薫は誰に挨拶することなく、一人で僕たちの前から居なくなった。
 教師たちには僕たち生徒会役員は仲が良いと思われていたから、彼女が何も告げずに慌ただしく去ったことを気にするでもなく、無神経にも彼女の渡米先の住所を知らせてきた。
 仲の良かった友人の連絡先を教えてやったとでも思っているのだろう。
 シャルロットやエリックたちはその住所に宛てて手紙を送ったりしたらしい。メールアドレスやテレフォニーナンバーを知らされていなかったのだから、前時代的な通信手段しか残されていなかったわけだけど。
 僕は教師からもらった彼女の住所を書き付けた紙を、自室に戻ってすぐに破り捨てた。チラリとも見ていない。
 判っている。僕と彼女は同族だ。入学してすぐに、僕と薫は自分たちが同じような人種だと認めている。僕が彼女と同じ立場に立たされたなら、僕も彼女と同じような手段に訴えたかもしれない。それを僕は否定しない。
 残念ながら僕には幼なじみなど存在せず、彼女は女で、僕は男だった。僕に彼女とまったく同じ手段を使うことへの抵抗がある以上、彼女と同じ道を行く確立は格段に低いだろうとは思うけど。
 彼女は普段は性別のことを持ち出すと憤慨するくせに、最後の最後に自分が女であることを利用した。他人が見たら、彼女のやり方は卑怯だと思ったかもしれない。彼女と同族だと思っている僕もほんの少しそう思ったくらいだから。
 でも、卑怯ではあっても、僕は彼女のやり方が気に入らなかったわけではない。自分がやるのであれば、抵抗があるけど。
 ただ……彼女や和紀たちが僕の存在を忘れたように一人でサッサと行ってしまったことが、許せなかったのだ。僕は、ずっと彼らを大切にしてきたのに。


 それから一年後だ。もう逢えないかもしれないと思っていた和紀が、突然、僕やエリックの前に現れた。他の卒業生にでも訊ねたのだろう。僕たちが通っている大学まで、彼はやってきた。
 大学は夏期休暇で閑散としていたけど、僕とエリックは研究室の用事でほとんど毎日のように大学に出入りしていた。それも調べたのだろう。和紀は一日のカリキュラムを終えて学校から出てきた僕たちを待ちかまえていた。
 ものすごい形相だった。一目見て、彼が薫のことを知ったのだと、僕には判った。彼がこれほど怒り狂う理由が他にはなかったからだ。案の定、彼が開口一番に訊いたことは薫のことだった。
「薫の奴、今どこにいるんだ!?」
 殺気だらけの声。眼光だけで人を睨み殺しそうな彼の様子に、僕は首を振るしかなかった。
「僕は知らないよ。教えてもらっても迷惑なだけだから、住所を書いた紙は破り捨てた」
 その僕の左頬に、和紀の平手が飛んだ。構えていなかった僕はアッサリと吹っ飛び、さらに殴りかかろうとする和紀を、側でやり取りを見ていたエリックが真っ青になって止めたほどだ。
「竜。てめぇ、なんで薫を止めなかった!? 俺がいなけりゃ、理事会は大人しくなったハズじゃねぇか! てめぇの優秀な脳味噌は何をやってたんだよ、生徒会長!」
「僕はもう生徒会長じゃない。勝手に学校を辞めた奴にどうして殴られなきゃならないのか教えて欲しいね! 君たちの子守をするために僕がいたわけじゃないよ!」
 吹っ飛ばされたときにコンクリートの壁に背中を強かに打ちつけていた。どうにかこうにか身体を起こすと、僕はひりつく左頬を撫でながら和紀を睨みつけた。
 どうして彼にこんなことを言われなきゃならない? 勝手に出ていったのは和紀のほうだ。同じく薫も勝手に僕たちから背を向けた。なのに、それを止められなかった僕を二人は罵倒する。
「てめぇはぁっ!」
「薫に逢いに行ってどうするつもりさ」
 エリックが必死に和紀の身体を羽交い締めにして抑えていたけど、その拘束が外れるのも時間の問題だろう。和紀は高校時代以前から空手で全国大会まで出ていくような強者だったから。
 たとえ体格は和紀よりでかくても、武道などやったこともないエリックに和紀を止めておける力があるとは思えない。
「ちょ……! 逃げろ、竜介!」
 力任せにエリックの腕を振り解いた和紀が僕に飛びかかってきた。正面からまともに見ると、彼の姿は獅子が襲いかかってくるような錯覚に囚われる。空手大会で対戦した相手もさぞやゾッとしただろう。
 殴りつけられる寸前、僕は相変わらずの鉄仮面の表情で彼を睨んだ。
「君も見捨てられるよ」
 和紀が大きく眼を見開いて動きを止めた。殺気はまだ辺りに漂っていたけど、彼の表情からそれまでの怒りが消えている。
「どういう……」
「薫は僕たちになんの相談もなしに一人で何もかもやったんだ。そして、一人で出ていった。僕たちを見捨てて逃げ出した君と同じ、だろ?」
「俺は逃げてねぇよ!」
 和紀の瞳がつり上がった。ふてくされたときなどに目をつり上げることはあったが、彼がこれほど負の感情を表に出すのは珍しい。それだけ、自制が効かなくなっているということだろう。
「君は逃げたつもりがなくても、薫はそう思っただろうよ。当事者として、一人学校に取り残されたんだから。薫がどんな気持ちでいたと思う?」
 和紀は反論してこなかった。薫を守るつもりで学校を辞めたことが、彼女にどんな影響を与えたのか、彼は今になってようやく考え始めたんだ。それまでは、考えの端にさえ浮かばなかったのだろう。
「人の噂も七十五日って言うよね。和紀が学校を辞めた時期ってちょうどそれくらいの期間が経っていたと思う。もう少し辛抱していたら、三流のマスコミは次のゴシップに飛びついて君たちのことなんか忘れただろうに」
 和紀はまだ口を開かない。きっと彼の頭の中は、大混乱しているはずだ。自分が辞めた後の学校の様子など何も知らなかっただろうから。
「君が退学した事実は新しいゴシップネタだったよ。取り残された薫はその渦中に一人取り残された。気の強い薫だからね、表面上は前と変わってなかったけど。でも僕たちが何度話しかけても、彼女は笑わなくなった。……そして、彼女も君と同じように逃げ出したよ。僕たちの前から」
 随分と残酷なことを言っていると思う。今、僕が和紀に話をしている内容は、あくまでも僕の見地に立っての話だ。薫の立場に立てば、彼女なりの話があるだろう。そして、和紀の立場に立てば、彼なりの……。
「エリック。薫の住所、教えろよ」
 僕を見つめたまま、和紀はすぐ後ろに立つエリックに声をかけた。やはり薫に会いに行くつもりのようだ。もう、こうなったら彼を止められる者はいない。
「エリック。和紀に教えてやれよ。君は知っているんだろう?」
「……やだよ。なんで恋敵に教えてやらなきゃならないんだ」
 子どもっぽく頬を膨らませたエリックを、振り返った和紀が鋭く睨んでいる様子が、彼の背中からも伺えた。
 在学中から、薫にちょっかいを出すエリックと和紀は衝突が絶えなかった。今も彼らは薫を巡ってばかばかしい諍いをやめようとしない。
「エリック。そんなこと言わ……止めろ、和紀!」
 昔からの癖で僕が仲裁に入ろうとしたときだ。和紀が拳を振り上げ、エリックの鳩尾に鉄拳を叩き込んだ。僕が止めろ、と叫んだときには、すでにエリックは地面に長々と伸びた後だ。
「なんてことするんだ、和紀!」
「うるせぇ、黙ってろ!」
 地面に転がるエリックの懐を漁り、和紀はエリックの手帳を引っぱり出した。女と見れば手当たり次第に口説いて回るエリックらしく、彼は相手の女の連絡先をまめに手帳に記入している。その癖は今も治っていなかった。
「人の手帳を勝手に見ていいと思ってるのか!? エリックに謝れ!」
「黙れ。俺に指図するな」
 和紀が視線を上げ、僕と目を合わせた。それまでの怒鳴り声を収めた彼の声は、ひどく平坦な声だった。それが彼の内心の苛立ちを示しているように見える。
 エリックの手帳の一部を破り取ると、和紀は紙切れをジーンズのポケットにねじ込んだ。薫の住所を見つけたのだ。
「邪魔したな」
 奪い取った手帳をエリックの胸元に投げ降ろすと、和紀は僕たちに背を向けて行ってしまった。
 他のものに興味を失った彼の背中に、僕は以前と同じように声をかけることができなかった。いや、学校を去っていく彼の背中を見送ったとき以上に、彼の存在が遠かった。
 気を失っているエリックを抱き起こしながら、僕は和紀の背中を睨んだ。彼には薫しか見えていない。僕やエリックや、他の仲間たちのことなど、眼中にないのだ。それを思い知らされた気がした。
 以来、僕は夏が大っ嫌いになった。薫も、和紀も、二人とも僕の目の前からいなくなった季節だから。


 いつの間にか、桜華は俯いて相手の話に聴き入っていた。目の前の麗人を直視することができなかった。
「紫野さんは、それでも二人のことが好きなんですね」
 フェンスにもたれかかる竜介が、桜華のもらした囁きに苦笑して身体を起こした。
「僕は自他共に認める人間嫌いだったからね。彼らのお陰で、少なくとも女嫌い程度に改善することはできたんだよ。まぁ、女嫌いってだけで充分厭な人間だろうけど」
 フェンス越しに灰色の街が見える。コンクリートが林立する街だからというわけではない。今にも雪がちらつきそうな空模様を、街が写し取っているのだ。
「彼らがいなかったら、僕はもっと厭な人間になっていただろうね。見捨てられたと腹を立てても、僕は彼らを憎むことはできなかった。……桜華ちゃん。君はどうだい? 大好きな薫先生の側にいる和紀を憎めるかい?」
「わたしはもとから憎んでなんかいませんよ。ただ……」
「ただ……羨ましかった、かな」
 小さく頷く少女の頭をそっと撫でると、竜介はそれまで冷たい矜持を保っていた目元をほころばせた。そうやって笑っていたほうが、多くの人間に好かれるだろうに、彼はそれをごく一部の人間にしか見せないようだ。
「あの二人の間に入っていくことができる人間はいないだろうね。僕にも、僕の仲間にも無理だった。君がそれをできるとは、僕には到底思えない」
「そうかもしれません。わたしはただの患者ですから」
 泣き笑いの表情を浮かべた桜華の肩をそっと抱き寄せると、青年は建物の中へと誘った。身体はすっかり冷え切っている。これ以上屋外で話をするのはやめたほうがいい。
「女の人が嫌いなのに、わたしの側にいて平気ですか?」
「女は嫌いだよ。君が僕にしなだれかかってきたら、さっさと振り払ってさよならするさ。でも、君は自分が女だってことを主張しないだろう」
「人間嫌いじゃなくて、女嫌いってのは、そういうことですか」
 クスリと少女が喉の奥で笑い、青年もつられたようにクスクスと笑い声をあげた。
「……わたし、やっぱり薫さんと綿摘さんの間にあったこと、調べるかもしれません」
「僕に止める権利はないだろうね。でも、桜華ちゃん。彼らに関わろうとするのなら、それ相応の覚悟をしておくことだね。彼らは聖人君主じゃない。君が綺麗なイメージを抱いているのなら、待っているのは失望でしかないよ」
 笑いを収めた少女が漏らした言葉に、青年は静かな口調で答えを返す。それを予測していたのか、少女はしっかりと頷いて、白い白い廊下の奥を見据えた。そこには誰もいない。人の気配もない。
「まだオペは終わってないみたいだね。……君は休んでいたほうがいいと思うよ。終わったら知らせてあげるから」
「いえ。見届けさせてください。わたし、綿摘さんのこと好きじゃないですけど、自分を助けてくれた人を放って、一人でいることはできないです」
「薫が執刀している以上、和紀を死なせるわけないと思うけど。……いいよ。一緒に待っていよう。でも、身体の調子が悪くなったらすぐに病室に戻ること。いいね?」
 再び青年は硬いソファに腰を降ろした。今度は隣りに華奢な体格の少女も一緒に。
 互いに寄り添うでもなく、かといって他人行儀でもなく、二人は目の前に立ちはだかる白い扉を見つめて黙り込んだ。
 別の階の物音だろうか、遠くに人のざわめきのようなものが聞こえてくる。それ以外の物音がしない白い景色の中、青年と少女はその風景に溶け込むようにして静かに座り続けていた。

終わり

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